天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「大西君。これが最後の伝令です。」


「お・・おう・・・・。」


「【2アウト満塁】

3塁ランナーが返れば同点。
2塁ランナーが返れば逆転サヨナラ負け。

定石でしたら外野陣は[前進守備]です。」


「・・おう・・・・。」


「ですが、相手は4番君です。

試合途中にも言いましたが、

中京大 中部打線に[前進守備]は本末転倒の結果を迎えます。

【定位置より、やや後方】で守るように、
中村君経由で外野陣に指示してください。」


「お・・おう・・じゃなくて・・はい!!」




ごめん憲伸くん・・・。
もう・・色んな感情が交錯して・・・

・・・涙が止まらない・・・・。



マウンドに集まった内野陣。
伝令に走る大西くん。

輪が解けた後・・中村くんがジェスチャーで“下がれ”と外野の3人へ指示を送った。



9回裏・・得点[6-5]
2アウト満塁・・・

バッターは・・最後の最後までみんなの前に立ちはだかる・・4番 城島君・・。


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