天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「変態監督さんは・・・
今どこにいるんスか・・?」
「既に身支度を整えて、13時の新幹線で東京へ発つそうです・・。」
明後日から“西”に旅立つウチらと真逆で、
阿部先生は“東”に・・・・。
時計を見ると、もう12時を回っていた。
「・・・・・・・行こう・・。」
「「「「・・・・・?」」」」
龍ちゃんがみんなを見回す・・・・。
「多分・・変態先生を“引き留め”なんてできねぇ。何考えてんのか絶対分かんねぇし、
あのオッサンに口喧嘩は絶対勝てねぇ。」
「「「「・・・・・・・・。」」」」
「でも少なくとも・・・この1年・・ムカつく事の方が圧倒的に多かったけど、
でも1日も欠かさず、
俺らに付き合ってくれて、
雨だろうが雪だろうが、
極寒だろうが猛暑だろうが・・
クリスマスも大晦日も元旦もGWも、
ずっとあそこのパイプ椅子に座って・・。」
「「「「「・・・・・・・。」」」」」
「バント嫌いだけど、
いつも中村とか俺とか・・
1年生だろうが2年生だろうが3年だろうが・・全員を信じてくれたんだ・・!
だからお礼ぐらいはちゃんと言いてぇ!!」
「「「「おう・・・・おぉ!!」」」」
「教頭先生!!バス出してくれよ!!」
「分かりましたぞ!!
皆で名駅に行きましょう!」
13時の新幹線まであと約50分・・!
今からスクールバスに乗り込んで、
名古屋駅まで向かったら・・ギリギリ・・
もしかしたら間に合わないかもしれない。
でも・・教頭先生がサッカー部の顧問をしていた時のモットー・・
“ネバーギブアップ”
はみんなにも浸透している・・!
「よっしゃー!運転手さん!
ぶっ飛ばしてくれよ~~!」
「いやさすがに法定速度は守らなきゃダメだろ。」
興奮度MAXの大西くんと、
冷静な立浪くんの掛け合いと共に、
バスが出発した・・!!