天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「1!」

「「「「「「「1!」」」」」」」


「2!」

「「「「「「「2!」」」」」」」


ランニングを終えたみんなが素振りに取り掛かって・・

この後のフリーバッティングとノックが始まるまでは小休憩・・!


「今日もみんなイケイケだね~。」


「うん!」


アリサと素振りの様子を見ながら・・

技術的な事は素人だけど、1年以上の付き合いになるみんなの表情の事はよく分かる。


この3週間・・

江藤先生が監督をやっていた時と違って、みんなノビノビと練習に打ち込めていた。


変態 阿部先生が気持ちの悪い変態っぷりを見せてきたらどうしようって不安だったけど、

初日の化学室で言われた通り、

練習中は白衣姿のまま、グラウンドの隅に置いたパイプ椅子に座って、

練習風景を見ながら銅像のように固まってるだけだし・・


「あ~ぁ・・この調子だったら、

もし秋季大会出られてたら絶対良いとこまで行ったと思うのになぁ。」


「こらアリサっ。
それはもう言わない約束でしょ?」


「ごめん~。
でも憲伸も絶好調だし・・龍君もねっ。」


「そうだねぇ・・・・
・・・・・って・・あれ・・?」


ふと・・視線が向いたグラウンドの隅。

パイプ椅子がポツンと置かれて・・
そこに座るいつもの銅像が居ない・・?


< 37 / 399 >

この作品をシェア

pagetop