天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「・・筒井さん・・・。」


「「キャッ!!!!」」


と思ったら・・いつの間にか私とアリサの真後ろに移動していたらしく、

この3週間で初めて・・
変態っぷりを見せつけてきた。


「ちょっと!驚かさないでよ変態!」
「あ~・・ビックリした・・・。」


すぐにムキっとなったアリサと違って、
まだ心臓バクバク・・。


「筒井さん・・ちょっと来てください。」


「え・・・は、はい・・・。」


・・・な、なんで私だけ・・?


そのまま変態に呼び出される格好で、この人の定位置のパイプ椅子まで一緒に戻る・・。


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「あの・・・なんですか?」


「“高校野球”について僕に教えてください。」


「え・・・・・。」


「まず最初の疑問です。
【甲子園】とはなんですか?」


「・・・・・・・・・・はい?」


「時折、彼らの言動の節々に“甲子園”という単語が出てきます。

なぜ兵庫県 西宮市の地名が出てくるんですか?」


・・・・・この変態・・・
ホントに何にも知らないんだ・・。


「え・・え~っと・・。」



【阪神 甲子園球場】


春のセンバツ。夏の全国大会。

どちらも県代表に選ばれたらそこでプレーできる・・高校球児にとっての“聖地”。

< 38 / 399 >

この作品をシェア

pagetop