天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


<阿部教授が【新薬】として開発した『カンノン17』で救われた方が、

世界中にいたという事ですからね~!>


「・・・・・・・・・・・。」


<老化や病気に伴い落ちてしまった【運動機能の回復】の治療薬として開発された、

この『カンノン17』ですが・・

教授が開発に取り組むキッカケとなったのは・・“お母様”だそうですね・・!?>


「はい。母が病に倒れ、僕はそれまでに行っていた全ての研究を投げ出して、

後に『カンノン17』と名づける事になったこの薬の開発に取り組みました。


僕は医学者では無いので[病気を治したい]なんて大それた事は考えませんでしたが、

ただもう一度だけ、
【神社・仏閣巡りをさせてあげたい】

科学者を志す事になった僕の人生に、
大きな影響を与えた母の趣味でしたから。

それが僕にできる、“最期の母親孝行”だと思っていました。」


<開発に際して、様々な障壁やご苦労があったかと思いますが・・

今改めて振り返っていかがですかぁ?>


「やはり“薬”ですからね。

一番の問題は【副作用】をいかに見極めて改良していくか。

その点は非常に苦労しました。」


<聞いた話によりますと、先生自らが被験者になったそうですね・・!?>


「はい。『カンノン17』の開発に賛同してくれて、僕と共に被験者になってくれた、

研究所仲間には感謝が尽きません。

それから・・【開発・研究費用】を援助してくれた支援者の方にも、

この場を借りて改めて御礼を申し上げたいですね。」

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