天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


“ガラガラ”


「阿部先生。よ~~~~~やく在庫がある店が見つかったので買ってき・・

・・・ありゃ?なんだか雰囲気重そうですけど何かありました?」


「教頭ありがとうございます。今ちょうどその話に差し掛かる所でした。」


化学室へ入ってきた教頭先生が・・

何やら小箱?をアリサ、後輩マネちゃん、私に手渡して・・・


「・・・・カメラ・・?」


「それが今日から君達に担って頂く、
“大事なサポート”です。」


「「「・・??」」」



「・・・・中村君。」


「あ、はい・・・。」


「代表して、君から野球素人の僕に教えてください。」


「何をですか・・?」


「君達が練習中によく行っている“素振り”、
あれは何の為にやっているんですか?」


「あ・・はい。
[自分のスイング]を固める為です。」


「ではその[自分のスイング]が“出来ているかどうか”は、

どうやって判断しているんですか?」


「それは自分・・・・。」


「まさかとは思いますが、
“感覚”という主観での判断ですか?」


「・・・それは・・その・・。」


「かの有名なスターウォーズのジェダイの騎士のセリフや、

ブルース・リーのセリフとして有名な、

[考えるんじゃない、感じるんだ]

という非科学的な妄言にカッコ良さを覚えているなら、君達は大馬鹿だ。」



・・・・もしかして・・・・?


「え・・先生。

もしかして、このビデオカメラを使って、
練習中のみんなを【撮影】する事が・・

ウチらマネージャーの、
“大事なサポート”・・?」


「はい筒井さん。

・・・・部員の君達は今日から、
【客観的に判断する事】を覚えなさい。

[観察して、仮説を立て、実行していく]

繰り返しになりますが、
野球素人の僕に技術的な指導は出来ない。

だったら素人ではない君たち自身が、

“自分の動作”は技術的に正しいのか?
改善する事は無いか?

その頭と経験を使って考えなさい。」


「「「「「「「・・・・。」」」」」」」


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