天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
第7話
第7話
変態式 戦術、導入
教頭 杉下先生
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“新年明けましておめでとうございます”
PTA会長を初め、我が学園へご支援賜る皆様への挨拶回り。
そんな中、少しかわいそうな気持ちもあったけど、
マッドサイエンティストの言いつけを守り、野球部の部員達は、
クリスマスも、大晦日も、元旦も、
学園へ来て汗を流した。
練習時間は90分。
阿部先生が指定した“練習”時間。
今までから比べて短くなった時間。
ただ、彼らは自主的に、積極的に。“90分以外”の時間も活用するようになってきた。
誰一人、練習が終わってもすぐに帰らない。
マネージャーの子達が撮影した自分達の姿を観察し、分析し、話し合う。
誰一人、遅くとも練習が始まる30分前には集合する。
素人の我々が具体的な指示を出せない分、
中村君、龍君を中心に彼ら自身で、
“今日は何をするのか”
“何の為にするのか”
全員で共通認識を持って取り組む。