天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「・・・・・憲伸君。」
「あ、はいス。」
「当事者の君の意見も聞いておきましょう。
【ピッチャーの駒】は足りていますか?」
「・・・・・・・・・・・。」
「来年夏、1回戦から決勝戦まで。
例えどんな事態に陥ろうとも、全試合9回まで君が投げ抜く事は可能ですか?」
「俺はそのつもりでスけど・・?」
「僕は野球の事は知らない。
だから科学者の目線として言いましょう。
ピッチャーが行う“投球動作”を1試合9回×3アウトも繰り返していたら、
君の肩はいずれ壊れます。」
「・・・でも変態監督さん。
俺以外の控え投手で言うと、試合で通用しそうなのは1年の正津だけっスよ?」
「であれば、毎試合2人で【分担】して頂きましょうか?」
「・・分担・・・・?」
「僕の理想論を言えば、
ピッチャーは3人必要です。
そうすれば【1人3回ずつ】に分担できる。
しかし残念ながら今のチームには憲伸君と正津君しかいませんので、
2月末からの練習試合は、
1回~4回 正津君、
5回~9回 憲伸君で分担してください。」
「・・俺は途中からの登板スか・・。」
「先発ではなく中継ぎでは“調整が難しい”と言うなら、
練習試合を通して“難しくない”と言えるようになりなさい。」
「・・・・うぃっス。」