35cmの音
何度も何度も唇を重ね

玲音の吐息や体温が
私の唇を通して伝わった。


唇を離した瞬間に
周りの音が私の耳に、また響く。

そこでようやく我に返り


下を向いた。


「ハァッ...!」


息をするのも忘れて

呼吸が乱れる。

「な.....ん、で、っ、こんな、事っ...」

うまく喋る事もできない。


心臓の音が全身に響く


「....消毒。」


はぁ?!ふざけないで!

またいつもみたいに冗談ばかり言って!

そう叫ぼうと思ったけど


玲音の顔は私よりも真っ赤だった。



「~~~~!!!!!」


それを見て私も恥ずかしくなった
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