35cmの音
「...俺さ、夢があったんだ。」

「玲音の夢?」

「うん、でも今まではずっと“ただの夢”だった。そうやって自分に言い聞かせて叶えようともせず最初から諦めてたんだ。」

「どうして?」

言葉を考えながら話す玲音

「んー....シンプルに言えば、
叶えられる環境ではなかったから。」

“環境”

玲音が育ってきた環境

それは私の知らない事で

今までずっと私に隠してきた部分。

「これからは叶えられるの?」

「咲那がいたから、そう思えたんだ。」
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