35cmの音
小学校の卒業式が終わってすぐ

玲音の姿はどこにもなかった。

「お母さん、玲音は?」

帰りの車でお母さんに尋ねた

あの日、

喧嘩した日から半年。

一度も会話することもなかった。

会話どころか玲音は僕と

目も合わせなかった。

「空港。お父さんと」

「なんで?!」

「実はね、玲音はお母様の所で
しばらく暮らす事になったのよ。」

おばぁちゃんのところって....

「どうして?!」

「アメリカの学校へ行くの。玲音が
お母様に、頼んだみたいで、ね...」

お母さんは涙を流していた。
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