35cmの音
だから俺は急いで立派な人間になるんだ。

必死に働いて、勉強もして、
自分自身や家族とも向き合って

もう逃げることはしない。

「俺、頑張るから。だから、もう少しだけ
自分のやりたい事をやる時間が欲しい。」

咲那の気持ちからも逃げたくないから
今は、俺は俺の場所で頑張るしかない。

「もし、誰とも付き合わずに
アンタの事をずっと一人で待ってるような
そんな度胸のある子だったら...」

「え?」

「いつでも大歓迎だよ。」

アッサリ許してもらえてビックリ

「本当に?」

社長令嬢とのお見合いや政略結婚を
さんざん俺に薦めてきてたくせに。
< 374 / 938 >

この作品をシェア

pagetop