35cmの音
「いや、笑えたのは今日からかな。
むしろサナちゃんのおかげかも...」

今まで僕の気持ちなんか
誰にも話せないし
誰も分かってくれないと思ってたけど

初めて胸の内を話せて、
サナちゃんのおかげで
心が空っぽになってスッキリして
今は心から笑えてる。

サナちゃんには本当に感謝だな

「はい変な虫ー」

玲音も少し笑ってる

「はは!ねぇ玲音、」

久しぶりに2人で笑い合った。

「ん?」

「ごめんね」

頭をポンポン叩く

「謝んなくていーから。」

昔と変わらず温かくて大きな手

「え?」

「お前は何も悪い事なんてしてねーよ。
むしろ母さんの側にいてくれてありがとな。」

“ありがとう”

そんな言葉が出てくるなんて...

玲音の心の広さに触れると

やっぱり涙が出そうになる。

玲音が僕のお兄ちゃんで良かった
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