35cmの音
「何それ!でもお金は全部
レオさん持ちなんでしょ?」

今では唯一、何でも話せる仲。

「うん。」

有り難いことに衣食住、学費、
全て玲音が払ってくれている。
(家賃は後見人の叔父さん)

家具家電も新しいものに
総入れ替えしてとても便利だし

なんなら掃除もしてくれるし
料理も作ってくれるし

派手な見た目とは違って家の事はなんでもできて
のろまな私とは違っていつもテキパキしてる。

「じゃあヒモでもないしうーん...」

私が学校を休んでいた1ヶ月半

「でもいるもん、いつも。」

玲音は毎日、家にいた。

「家に?朝も、昼も、夜も?」

1ヶ月半ずっと2人きりで過ごし

「うん」

おばぁちゃんとお別れする時も
ずっと側にいてくれた。

夜中にふとおばぁちゃんの事を
思い返しては泣いたり、
写真を眺めては泣いたり、

そんな弱い私を玲音はその度に
いつも隣で支え、慰めてくれた。

だから、救われてきたから玲音が何者でも
私にとっては、そんな事どうでも良かった。
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