35cmの音
玲音の大切なおばぁ様。

「あの、私...玲音の、」

涙がどんどん溢れ、うまく喋れない。

「レオ?どうしたの?」

どことなく玲音に似ていて

「おばぁちゃん、ごめんなさい...」

優しく見つめる瞳も同じで、

「あらあら、大丈夫よ。泣かないで」

とても温かい手が私を包み込んだ。

「私のせいで、ほんと...に」

玲音、ごめんね。

こんなに素敵で温かい方に
ずっと会えずにいたなんて...

そう思えば思うほど涙が止まらなかった。
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