35cmの音
だったら、

「私は産むよ。」

答えはもう決まってる。

「...百合、今ならまだ、、」

強くて、優しくて、いつも私の味方で
誰よりも私を愛してくれている

私はお母さんみたいな母親になりたい。

「一度くらい強い人間でいたいから。」

その姿を見て育ったのに、
身体も心も弱くて沢山心配かけたよね。

「...百合、私は嫌よ、だって、、、!」

だけど、最後にもう一度だけ

「私が守るって決めたの。」

私のワガママを聞いて欲しい。

「でも、百合が...」

この世界は退屈で、

「もう、いいの。充分だから。」

私の世界は平凡だった。


その平凡が幸せだったんだと気付けたのは

「せめてこの世界に生きて欲しい...
私がもう生きれないこの世界を、
この子には見せたいんだ。」

この子のおかげだから。
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