35cmの音
「なんっ、でっ...こんな、
なんで百合ばっか、辛い...想いを!」

大粒の涙がボタボタと私の肩に落ちる

「生き延びるんだよ少年。」

あなたはとても強い。

「いやだ!」

強くて逞しくて

「生き延びて...」

そして、私の大切な人。

「いやだ!」

君がくれた大丈夫を今度は私があげる。

「大丈夫。君はとても強い人だから。」

私がいなくなってしまったとしても

「無理だよ ...だって、百合が、」

もう一度、立ち上がれる。

君は未来を生きて。

色んな経験をして、色んな景色を見て、

またいつか...

いつか天国で会えたら、また沢山話しをしよう

それまでは私が空からいつも見守っているから。

だから笑って生きてね

早くこっちへ来ちゃダメだよ。

私が見れなかった景色を世界を歩いていってね!





私は少し、


ほんの少しだけ


強がって


君にそう伝えた。
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