35cmの音
「ちゃんと分かる。分かってる!」

僕が悔し涙を流すなんて、、、

「うん...そうだね、舞音には
ちゃんと分かってて欲しい。」

一度も無かったのに。

“どうせ玲音には勝てっこない”

「知らなくていいのなら、
知りたくなんてなかった。」

昔から諦めてた。

「でも、知ってて。」

玲音に初めて挑んだ勝負だった。

「...うん」

この恋に、

「私は玲音しか見えない...見てない」

勝ち負けがあるとするなら、

「うん、」

僕は勝者でいたかった。
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