35cmの音
「今年の流行語大賞“LEOロス”だってよ」
店長がテレビを眺めて呟いた

「あら、皆もロスなのね。私もよ」
母よ、奇遇ですね。私もそうなの←

「こっちは昔からロスだっつーの!」
父よ、ナゼ私の頭を叩くのよ?!

「ねー!LEOロス上等っー!笑」
娘は強気で行きますか。

「お前はほんっと呑気だな!つーか、
またニートになったのかよアイツ?」

さぁ?

「私はニートだった頃の玲音が
一番好きだからいいもんっ!」

父の背中をビシバシ叩き返した

「はぁー。もう変な男に騙されんなよ?」

「もう充分ひっかかってるし、そこから
抜け出せないけど幸せだからいいもん!」

店長が笑って頭を撫でる

「つーかアイツ!本の印税、
俺にも少しはよこせっての!」

玲音は今、

「あはは!もーやだっ」

どこで何をしてるのかな?

「お前も出てんだから金せびってこい!
アイツ多分、一生遊んで暮らせんぞ?」

元気にしてるかな?

「もーゲスいってば!!!笑
確かに今年のベストセラーだし?」

どこかで笑って、

「詳細まで事細かにぜんぶ暴露しやがって!
ヒラヒラが一番の被害者だろーな。笑」

幸せに過ごせてたらいいなぁ

「うん、むしろ私たちの暴露本だね!
アミは逆にあのキャラでまた大人気に
なってるから大丈夫だよ。」

私は変わらずここにいるよ。

「ありのままのヒラヒラも悪くねーな。
マオの子役は嘘でしたーも良かったな。
アイツもスッキリしたんじゃねーの」

本の中の玲音の世界はとても綺麗で温かかった。

「努力してたもん!だからあれは言って良かった!」

“やっとその答えに気付いたんだ。”

玲音も私も、一人じゃなかった。
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