35cmの音
あーでも今日は
何だか朝からずっと緊張してる。

いや、きっと来ないよね
携帯も繋がらなくなってたから...

トボトボ歩きながら
色んなことを考えていた。

大学の入り口でなにかザワザワしてる

なんだろう。サークルの勧誘かな?

通り過ぎながら
人だかりの中心を見てみると
高級車がどーんと停めてある。

スーツにサングラス姿の
セレブお坊っちゃまみたいな人が
車に寄りかかって立っていた。

うわぁ...何あれ

うちの大学にあんな人いたんだ。
たまにいるよね、あーゆー人。(引)

私はそそくさと素通り....

「あー。これ撮った奴...しばくからね?」

ユナのドスのきいた声に人集りが一斉に散る。

ん?いきなりどーした?


「じゃーねサナ!良かったな!行け!」





ユナが私の背中をこれでもかってほど押す。

え?なに???どーした?!
今、ユナ泣いてた?!

呆然と立ち尽くしていると


「いた!!!!!!」



誰かに腕を掴まれた。
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