あの日の恋は、なかったことにして
「ドバイ土産があるんだが、今渡したら荷物になるかな?」
「あのね、今の部屋とても狭いの。だから物はあんまり増やしたくないんだ」
そんなことを言ったら、父はしょんぼりした顔をした。
「だから、次からはポストカードとかにしてね。でも、ドバイ土産なんて嬉しいな」
機嫌を取り戻した父に、お酌をする。すると父が、私のお猪口にもお酒を注いでくれた。
私が成人して、一緒に飲めるのがとても嬉しいらしい。
近況をお互いに報告する。
会社はとてもいいところで、同僚にもよくしてもらっていると一応言っておいた。
「なにもあそこに就職することはなかったのに……」
父は今でもぶつくさと文句を言うが、じつのところ、内定をもらったのはあの会社だけだったのだ。
誰のコネでもなく、実力で入社できたと自分では思っている。
(仕事内容は雑用メインだけど)
「あのね、今の部屋とても狭いの。だから物はあんまり増やしたくないんだ」
そんなことを言ったら、父はしょんぼりした顔をした。
「だから、次からはポストカードとかにしてね。でも、ドバイ土産なんて嬉しいな」
機嫌を取り戻した父に、お酌をする。すると父が、私のお猪口にもお酒を注いでくれた。
私が成人して、一緒に飲めるのがとても嬉しいらしい。
近況をお互いに報告する。
会社はとてもいいところで、同僚にもよくしてもらっていると一応言っておいた。
「なにもあそこに就職することはなかったのに……」
父は今でもぶつくさと文句を言うが、じつのところ、内定をもらったのはあの会社だけだったのだ。
誰のコネでもなく、実力で入社できたと自分では思っている。
(仕事内容は雑用メインだけど)