あの日の恋は、なかったことにして
いつの間にかブラのホックが外され、直に手のひらで触れられている。
猪狩くんの背中に手をまわす。
湿った肌がひんやりしていて気持ちがいい。
さっきのお返しに、爪を立ててみた。
「俺にも優しくしてよぉ」
「ごめん」
充分に体をほぐされたあと、猪狩くんが私のなかに入ってきた。
でも、途中で動きを止めた。
「……いいの?」
もしかして、はじめてだと気付かれただろうか。
上から見下ろす瞳には、ちょっとだけ困惑の色が見える。
でも、繋がりかけた硬さはそのままだったから、私は「いいの」と小さく頷いた。
そのあとは、言葉を交わさず、ただひたすらお互いの息づかいと体温を感じあった。
はじめての痛みは想像以上だったけど、好きな人がくれる痛みだと思うと、なんだか嬉しかった。
猪狩くんの背中に手をまわす。
湿った肌がひんやりしていて気持ちがいい。
さっきのお返しに、爪を立ててみた。
「俺にも優しくしてよぉ」
「ごめん」
充分に体をほぐされたあと、猪狩くんが私のなかに入ってきた。
でも、途中で動きを止めた。
「……いいの?」
もしかして、はじめてだと気付かれただろうか。
上から見下ろす瞳には、ちょっとだけ困惑の色が見える。
でも、繋がりかけた硬さはそのままだったから、私は「いいの」と小さく頷いた。
そのあとは、言葉を交わさず、ただひたすらお互いの息づかいと体温を感じあった。
はじめての痛みは想像以上だったけど、好きな人がくれる痛みだと思うと、なんだか嬉しかった。