上の世界の話~オイラがオカンのおなかに入るまで〜
坂原美紅<さかはら みく>
1月1日朝8時47分 中央線病院第2棟106病室〈分娩室〉にて誕生。
体重3402g 身長49cm
初めて言った言葉は マンマ
初めて好きになった人は 同じ保育園のたっくん
…………………………………
「うーん。なんかいい感じだなぁ。元旦に生まれるって縁起がいいなあ。」
オイラはつぶやいた。
「えーでもさー。初めて言った言葉はマンマって食い意地やばくない?」
「旦那に惚れた理由が 婚期逃しそうだったから って惚れてなくない?」
「あとさあとさ、子供が出来たらつけたい名前がヒロシかヒロコってなんか昭和って感じだよね〜」
かれんとしんがいつものようにオイラの親を決める邪魔をしてくる。まぁ分かるよ。2人の気持ち。オイラにまだ下の世界に言って欲しくないんだよね。
とはいえミツキまで話に加わるとは……
「おーーーい!オイラの親になるかもしれないんだぞ。お前らにあーだこーだ言われたくないわ!」
まだあーだこーだ言ってる3人にドカンと怒鳴ると、ミツキは急に先生らしい口調になって
「あっ。そーいえば来週は下の世界の見学会だから、しんとかれんも行きたいところ決めときなさいね。」
といった。
下の世界の見学会というのは、オイラたちの親になる予定の人たちを見に行くというイベントだ。
そうそう言い忘れてたけど、オイラがいるのは上の世界と呼ばれる、子供が母親のお腹の中に行く前に産まれてからのことや人生を8割決めるための世界。ちなみに下の世界はこの世とか現世と呼ばれる人間が生活する世界のこと。今やっていたのは親候補を決めること。
上の世界の先生がいくつか候補を出してくれて、そこからオイラ達は決めてくんだ。
さっきかれんやしんが色々言ってたけど、親の情報がすごく詳しく書いてある資料を読んで決めるんだ。
1月1日朝8時47分 中央線病院第2棟106病室〈分娩室〉にて誕生。
体重3402g 身長49cm
初めて言った言葉は マンマ
初めて好きになった人は 同じ保育園のたっくん
…………………………………
「うーん。なんかいい感じだなぁ。元旦に生まれるって縁起がいいなあ。」
オイラはつぶやいた。
「えーでもさー。初めて言った言葉はマンマって食い意地やばくない?」
「旦那に惚れた理由が 婚期逃しそうだったから って惚れてなくない?」
「あとさあとさ、子供が出来たらつけたい名前がヒロシかヒロコってなんか昭和って感じだよね〜」
かれんとしんがいつものようにオイラの親を決める邪魔をしてくる。まぁ分かるよ。2人の気持ち。オイラにまだ下の世界に言って欲しくないんだよね。
とはいえミツキまで話に加わるとは……
「おーーーい!オイラの親になるかもしれないんだぞ。お前らにあーだこーだ言われたくないわ!」
まだあーだこーだ言ってる3人にドカンと怒鳴ると、ミツキは急に先生らしい口調になって
「あっ。そーいえば来週は下の世界の見学会だから、しんとかれんも行きたいところ決めときなさいね。」
といった。
下の世界の見学会というのは、オイラたちの親になる予定の人たちを見に行くというイベントだ。
そうそう言い忘れてたけど、オイラがいるのは上の世界と呼ばれる、子供が母親のお腹の中に行く前に産まれてからのことや人生を8割決めるための世界。ちなみに下の世界はこの世とか現世と呼ばれる人間が生活する世界のこと。今やっていたのは親候補を決めること。
上の世界の先生がいくつか候補を出してくれて、そこからオイラ達は決めてくんだ。
さっきかれんやしんが色々言ってたけど、親の情報がすごく詳しく書いてある資料を読んで決めるんだ。
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