お願い、あと少しだけ
透明の観覧車
コスモワールドまで歩きながら、弘樹が言った。
「コスモワールドのさ、大観覧車に乗ろうよ」
「うん。キレイな景色、見れそう」
「あのさ、大観覧車の中に、2台だけ、透明の観覧車があるの知ってる?
透明の、観覧車・・・?ちょっと想像つかないな、と思った。
「それって・・・もしかして、床も透明?」
だったら、ちょっと怖いかも・・・と思いながら、奈緒子が聞いた。
「そうらしい。ちょっと面白そうじゃないか?」
弘樹ったら。怖いもの知らずなのかしら。
「なんだか、ぞくぞくしちゃいそう。・・・弘樹は、乗ってみたいの?」
「奈緒子次第。」
「怖くて周りを見るどころじゃなくなっちゃうよ。弘樹に抱きつきたくても、観覧車は向かい合わせでしょう?」
「そだな。奈緒子が怖いなら・・・普通のにしよう」
弘樹、透明のに乗りたかったのかな?わがままだな、私・・・と奈緒子が思って黙りこくっていると。
「ん?どした?」
「弘樹、大阪行っちゃうのに、最後のチャンスなのに、私のせいで透明観覧車乗れないなぁ、って、なんか哀しくなった」
本当に、涙が出てきた。弘樹に思いっきり横浜を楽しんでほしいのに。
弘樹が立ち止まって、ぎゅっと奈緒子を抱きしめた。
「最後のチャンス、なんかじゃないよ。僕は何度でも東京に泊まりで帰ってくるし、横浜にだって、また来れる。今度、奈緒子が来たときに、もし、透明ゴンドラ乗りたいな、って思ったら、乗ってもいいし、やっぱり怖い、乗りたくないって言うなら、それでもいい。大したことじゃないよ。僕は奈緒子と一緒に過ごせるこの時間がとても大切だから」
そして、弘樹は優しくキスをした。
「また、人前で~!!」
ぽこぽこぽこぽこ・・・奈緒子は弘樹の胸を優しくたたいたが、笑顔があふれていた。
「誰も気にしてないよ」
確かに、通りを行きゆく人々は、他人のことなど気にしていないようだった。
「よかった」
「奈緒子は気にしすぎ!」
「弘樹は気にしなすぎ!」
ぷぷっ、と2人で笑いあった。
「コスモワールドのさ、大観覧車に乗ろうよ」
「うん。キレイな景色、見れそう」
「あのさ、大観覧車の中に、2台だけ、透明の観覧車があるの知ってる?
透明の、観覧車・・・?ちょっと想像つかないな、と思った。
「それって・・・もしかして、床も透明?」
だったら、ちょっと怖いかも・・・と思いながら、奈緒子が聞いた。
「そうらしい。ちょっと面白そうじゃないか?」
弘樹ったら。怖いもの知らずなのかしら。
「なんだか、ぞくぞくしちゃいそう。・・・弘樹は、乗ってみたいの?」
「奈緒子次第。」
「怖くて周りを見るどころじゃなくなっちゃうよ。弘樹に抱きつきたくても、観覧車は向かい合わせでしょう?」
「そだな。奈緒子が怖いなら・・・普通のにしよう」
弘樹、透明のに乗りたかったのかな?わがままだな、私・・・と奈緒子が思って黙りこくっていると。
「ん?どした?」
「弘樹、大阪行っちゃうのに、最後のチャンスなのに、私のせいで透明観覧車乗れないなぁ、って、なんか哀しくなった」
本当に、涙が出てきた。弘樹に思いっきり横浜を楽しんでほしいのに。
弘樹が立ち止まって、ぎゅっと奈緒子を抱きしめた。
「最後のチャンス、なんかじゃないよ。僕は何度でも東京に泊まりで帰ってくるし、横浜にだって、また来れる。今度、奈緒子が来たときに、もし、透明ゴンドラ乗りたいな、って思ったら、乗ってもいいし、やっぱり怖い、乗りたくないって言うなら、それでもいい。大したことじゃないよ。僕は奈緒子と一緒に過ごせるこの時間がとても大切だから」
そして、弘樹は優しくキスをした。
「また、人前で~!!」
ぽこぽこぽこぽこ・・・奈緒子は弘樹の胸を優しくたたいたが、笑顔があふれていた。
「誰も気にしてないよ」
確かに、通りを行きゆく人々は、他人のことなど気にしていないようだった。
「よかった」
「奈緒子は気にしすぎ!」
「弘樹は気にしなすぎ!」
ぷぷっ、と2人で笑いあった。