お願い、あと少しだけ
Sweet Soul
2人は、自由が丘のSweet Soulというパンケーキ店に入っていた。時間がまだ少し早かったせいか、すんなりとはいることが出来た。

メニューを見ながら、奈緒子が真面目に迷っている。

「う~ん、抹茶と小豆のパンケーキもおいしそうだし、ストロベリーミックスもおいしそうだし、チョコバナナスペシャルもおいしそうだし・・・」

くすくすくす・・・弘樹が、微笑ましくその様子を見ていた。

「ちょっと、弘樹ぃ。弘樹は、食べたいの決まったの?」

不満げに言う奈緒子。そんな奈緒子に弘樹は言う。

「じゃあ、その3種類、頼んで2人でシェアしようよ」

「いいの?・・・ってか、そんなに食べられる?」

「奈緒子は自信ない?僕は、お腹ペコペコだから、余裕だけど?」

ちょっと挑むように弘樹は言った。

「わ、私だって、お腹空いてるよ。でも、みんなとも何か食べるんじゃない?」

「僕たちは、お茶だけにしよう。2人の時間を楽しむ方が重要だ」

奈緒子は胸が震えた。こんなにも、こんなにも弘樹は私との時間を大切にしてくれてる。

「じゃ、3つ頼んじゃお!すみませ~ん!」

ウェイターを呼んで、3種類のパンケーキと取り皿を頼むと

「時間差で持ってきますか?」

という提案がされた。

「お願いします」

弘樹が答え、出来立てのパンケーキを堪能できることになった。

まずは、いちご。

「わ~、カワイ~、きれ~い!!」

という奈緒子に、弘樹が、

「奈緒子との2ショット、撮ったげる」

「うふふ、ありがと!」

満面の笑顔の奈緒子といちごパンケーキの写真。

「食べようか」

ふわっふわのパンケーキに、イチゴクリーム、カスタードクリーム、生クリームといちごのハーモニー。ストロベリーアイスも可愛く2つついている。

「おいしい!!めっちゃ、おいしい」

カシャッ!

「あ、弘樹、写真撮りすぎ!!」

「だって、奈緒子、可愛いもん」

・・・どう返せばいいのよぉ。
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