お願い、あと少しだけ
報告
翌日の木曜日、奈緒子は東京の総務部に出勤して、佐川部長のデスクに報告に行っていた。
「大阪支店秘書課での採用、決まりました!再来週からです」
佐川部長は、満足げに頷いて言った。
「高垣部長から聞いていたよ。おめでとう。淋しくなるな。来週金曜に送別会をしよう」
入社当時からずっと勤めてきた東京総務部から離れるのは正直淋しい。部下思いの佐川部長とお別れすることも。
「私も、東京総務部には愛着があります。ずっと一緒に働いてきた同僚たちや佐川部長とお別れするのも淋しいです。でも・・・」
佐川部長が、奈緒子をさえぎって言った。
「紺野くんと一緒にいられることは何よりも嬉しいだろう。私も、実は昔はな、・・・いや、何でもない」
あぁ、服部部長とのことだ、と奈緒子は思った。今はそれぞれに別々の家庭を持ち、幸せに過ごしているんだろう。でも、なにかこう・・・しこりのようなものが残っているのではないだろうか、と奈緒子は思った。2人のために、私と弘樹が出来ることは何かないだろうか。
「じゃ、業務に戻ってくれ。あと2週間は東京総務部の人間だからな」
「はい」
来週になったら、引き継ぎが待っている。とりあえず、どの業務を誰に引き継ぐか、そのあたりのことを考えながら仕事をした。あっという間に昼休みのチャイムが鳴る。
奈緒子は、亜由と奈由美とお弁当を広げていた。大阪支店秘書課への異動が決まったことを告げると、2人は心から喜んでくれた。
「よかった、ほんとによかった、奈緒子」
と亜由。
「うんうん。決まってよかったね・・・でも、弘樹に続いて奈緒子も大阪かぁ。淋しくなるね。行く前に、同期会、しようね」
奈由美が言う。同期がバラバラになるのは、ホントに淋しい・・・。
「いいのかな、私、ほんとに行って」
「いいに決まってる!奈緒子と弘樹は一緒にいなきゃだよ。ね、奈由美」
「そうそう、わが同期から生まれた唯一の熱々カップルなんだから」
「ありがとう、亜由、奈由美!!」
涙が出るほど嬉しいよ。私、絶対幸せになるから!!奈緒子は心の中で宣言した。
「大阪支店秘書課での採用、決まりました!再来週からです」
佐川部長は、満足げに頷いて言った。
「高垣部長から聞いていたよ。おめでとう。淋しくなるな。来週金曜に送別会をしよう」
入社当時からずっと勤めてきた東京総務部から離れるのは正直淋しい。部下思いの佐川部長とお別れすることも。
「私も、東京総務部には愛着があります。ずっと一緒に働いてきた同僚たちや佐川部長とお別れするのも淋しいです。でも・・・」
佐川部長が、奈緒子をさえぎって言った。
「紺野くんと一緒にいられることは何よりも嬉しいだろう。私も、実は昔はな、・・・いや、何でもない」
あぁ、服部部長とのことだ、と奈緒子は思った。今はそれぞれに別々の家庭を持ち、幸せに過ごしているんだろう。でも、なにかこう・・・しこりのようなものが残っているのではないだろうか、と奈緒子は思った。2人のために、私と弘樹が出来ることは何かないだろうか。
「じゃ、業務に戻ってくれ。あと2週間は東京総務部の人間だからな」
「はい」
来週になったら、引き継ぎが待っている。とりあえず、どの業務を誰に引き継ぐか、そのあたりのことを考えながら仕事をした。あっという間に昼休みのチャイムが鳴る。
奈緒子は、亜由と奈由美とお弁当を広げていた。大阪支店秘書課への異動が決まったことを告げると、2人は心から喜んでくれた。
「よかった、ほんとによかった、奈緒子」
と亜由。
「うんうん。決まってよかったね・・・でも、弘樹に続いて奈緒子も大阪かぁ。淋しくなるね。行く前に、同期会、しようね」
奈由美が言う。同期がバラバラになるのは、ホントに淋しい・・・。
「いいのかな、私、ほんとに行って」
「いいに決まってる!奈緒子と弘樹は一緒にいなきゃだよ。ね、奈由美」
「そうそう、わが同期から生まれた唯一の熱々カップルなんだから」
「ありがとう、亜由、奈由美!!」
涙が出るほど嬉しいよ。私、絶対幸せになるから!!奈緒子は心の中で宣言した。