ちよ先輩のてのひらの上。
柔らかくて穏やかな感触が、私の唇に重なった。
先ほどの、指が触れたときとは比べ物にならないほどの甘い痺れが、私を襲った。
様子を伺うように、触れただけだった先輩の唇が、……今度は微かに開いて、再び私を包み込む。
カチャ、と肌に触れた硬い感触に、私はおずおずと目を開いた。
少し顔を離した先輩が、照れたようにはにかんだ。
「ごめん。……忘れてた」
ぶつかった眼鏡を、先輩がおもむろに外す。
それを机の上に置いたと同時に、……私の頭を引き寄せ、もう一度、キスをした。
唇を食むように触れられて、力が抜けそうになる。
最後に、下唇を優しく吸われ……、先輩が、そっと離れた。