ちよ先輩のてのひらの上。
自分の上履きの先を見つめたまま、真白ちゃんが出てくるのを待つ。
……うん。……本当の、ことだもん。
ちよ先輩は、お兄ちゃんの友達で……、私はお兄ちゃんの妹。
お兄ちゃんが頼んだから、ちよ先輩は私と一緒にいてくれる。
莉子先輩のお友達が言ってたことは、何も間違っていなかった。
おかしな写真の件がなければ……、きっと、私がちよ先輩の隣にいられることは、なかった。
「……お待たせ、ひなたちゃん」
真白ちゃんが、どことなく元気のない様子で、トイレから出てきた。
私に聞こえていたのだから、きっと真白ちゃんにも、莉子先輩たちの会話が聞こえていたのだろう。
私から荷物を受け取ると、行こっか、と生徒会室へと歩き出す。
私も足を動かそうとして——一歩踏み出したところで、止めた。