ちよ先輩のてのひらの上。


……生徒会室、行きたくないな。

みんなの前で、上手に笑える自信が無かった。


「真白ちゃん」

「ん?」

「ごめん……。さっきから、少し頭が痛くて……やっぱり保健室に行こうかな」

「えっ……大丈夫?私も一緒に行くよ」

「ううん。ひとりで平気だよ。ちょっと痛むだけだから……。あっ、お兄ちゃんに、心配しないでって言っておいてもらえると助かる」


慌てて付け足すようにお願いすると、お兄ちゃんの心配性ぶりを思い出したのか、真白ちゃんが笑顔を見せた。


「わかった。無理しちゃダメだよ」

「うん。ありがとう」


手を振って、私は踵を返す。

階段に戻ると、1階へ降りて保健室に向かった。

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