ちよ先輩のてのひらの上。
ちよ先輩のてのひらの上。

知らされる事実



しんと静まり返った屋上へと続く階段に、私たちは座り込んでいた。

とっくに午後の授業は始まっているけれど、すぐに泣き止むことができなかった私を、真白ちゃんがここまで引っ張ってきてくれたのだ。


……初めての、サボり……。

こんな顔で教室に戻りづらいとはいえ、真白ちゃんを巻き込んでしまったことに、申し訳なさが募る。

それでも、一緒にいてくれることはとてもありがたかった。


「……落ち着いた?」


優しい真白ちゃんの声に、ぐす、と鼻をすすってから、弱々しく頷く。

真白ちゃんが私を覗き込んだ。

目元にちょんちょん、と綺麗にアイロンがけされたハンカチが触れて、私の涙を吸い取っていく。


「……でも、そっか。そんなことになってたんだ……」


真白ちゃんが、思い詰めたような顔をして呟いた。


——私は、しゃくりあげながらなんとか真白ちゃんに全てを話した。

ちよ先輩との間にあったことや、……紺野くんからの忠告。

それから……、ちよ先輩への、私の気持ちを。

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