ちよ先輩のてのひらの上。
明かされる真実
いつもより乱暴に触れられたはずなのに、与えられた感触は、優しくて、甘いもので。
私の体からは、すぐに力が抜けてしまった。
瞼を開けて、ゆっくりと離れていくちよ先輩の顔を戸惑いながら見上げる。
「……ごめん、ひなちゃん」
先輩は、目を伏せまま言った。
……さっきから、そればっかりだよ。
ズキズキと痛む胸に、眉を下げる。
ところが、先輩の顔が再び近づいて、今度は頬に唇が触れた。
舌先で涙をペロ、と舐められ、
「ひぁっ」
驚いて瞬くと、——まるで、さっきまでのしんみりとした表情が嘘みたいに、いたずらな微笑みが視界に飛び込んできた。
「あのね、——めちゃくちゃ、見られちゃってる」
「……へ……?」
……見られてる……?
私は、目をぱちくりとさせる。
少しの間を置いて、先輩の言葉に、たった今、自分たちのいる場所が2階の廊下であることを思い出した。
……と、いうことは。