ちよ先輩のてのひらの上。
きっと、これからも、——私はまんまとちよ先輩の手のひらの上で、踊らされてしまうのだろう。
でも……。
諦めないことが大事だって、気づいたばっかりだもんね。
私は微かに唇を開いて、息を吸い込んだ。
「先輩の、……好きに、してほしい……」
勇気を出して、震える声で、恥ずかしい本音を吐き出した。
一瞬だけ、ちよ先輩の瞳が、動揺したように揺れて——、
「……喜んで」
降ってきた、とろけるような甘さを含んだ返事。
それを合図に、注ぐように与えられる先輩の熱が……私を、ふわふわとした幸せに包み込む。