ちよ先輩のてのひらの上。
私だって……。
ただ、踊らされるだけじゃなくて、——上手に、踊ってみせるんだから。
感じた、ドキドキと轟くちよ先輩の鼓動に、安心するように息を吐き出して。
広がっていく満たされるような心地に、私はそっと、目を閉じた。
END
< 225 / 225 >
この作家の他の作品
表紙を見る
「……忘れたくても、
忘れられない夜にしてやる」
◇
街が眠りにつくころに
わたしを不敵に誘うのは
名前も 年齢も 所在も
なにもかもが謎めいた、
月明かりが、とても良く似合うひと。
◇
《儷帝-reitei-》総長・黒座
谷地 飛鷹
Yachi Hidaka
×
ごく普通の女子高生…?
平石 澪奈
Hiraishi Miona
◇
「知りたいんだろ? 俺のこと」
真夜中。
ふたりだけの、秘密の逢瀬。
「だからこーして……
お前の隅々にまで、教えてやってんの」
なにも知らないわたしは
深くて甘美な
蜜の罠におとされる――
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Ephemeral Trap
-冷徹総長と秘めやかな夜-
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「気づくのが遅ぇよ」
.
.
お前は、とっくに俺の、だろ?
表紙を見る
おーちゃんとのその後のふたりぐらしは、
甘くて、ふわふわしてて、
幸せすぎて……ちょっぴり怖い。
贅沢な悩みだなんて思っていたら、
「……梼原愛花って、お前?」
嫌な予感というものは
やっぱり当たってしまうらしい。
相変わらず背伸びをするわたし、18歳。
相変わらず大人なおーちゃん、25歳。
そして……
「へえ、健気で可愛いこと」
ベランダで煙草を片手に笑うのは、
304号室に引っ越してきた大学生、七瀬さん。
「年の差の分、
相手の見えない部分が存在するってことだよ」
彼からはなんだか、
「なにも知らないなんて、可哀想。
慰めてあげようか?」
危険な香りがする。
◇
ねえ、おーちゃん。
わたし、不安になりたくないよ。
「愛花。……お前、
もう少し俺の女だって自覚、持ったほうがいいよ」
もっと、ぎゅっと、
「わからせてやるから。……おいで」
――わたしを掴まえてて。
*****
こちらは
『ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-』
のafter storyとなります
表紙を見る
「ただいま、愛花」
「おかえり、おーちゃん」
兄妹でもない。恋人でもない。
だけど同じ部屋から出かけて、同じ部屋に帰ってくる。
わたしたちの関係は、きっととても奇妙なもの。
「お前は大事な妹みたいなもんだからな」
こんなにも近くにいるのに、届かない。
もっともっと、近づきたい。
「ちゅーして」
「……ませガキめ」
必死に背伸びをするわたし、17歳。
優しくて大人なおーちゃん、24歳。
ふたり一緒の生活は
楽しくて、あったかくて、ドキドキして。
……それがとても、痛くて苦しい。
「ひとりにしたくない。他の誰かじゃなくて
……俺が、そばにいてやりたいって、思う」
「お前のいない生活とか、俺のほうが耐えらんねーの」
マトリカリア 305号室。
このふたりぐらしに幸せを感じてしまうわたしを、
——どうか彼女が、許してくれますように。
*****
yukipy様
Eriiiiiina様
結季ななせ様
キヨ.様
月瀬ななせ。様
レビューありがとうございます!
この作品を見ている人にオススメ
読み込み中…