ちよ先輩のてのひらの上。
トコトコと席へと戻ると、真白ちゃんが心配そうにわたしを見上げる。
「大丈夫だった?」
「うん。またお兄ちゃんへのプレゼント」
「……多いねえ」
感心したように言う真白ちゃんに、私はへらりと笑う。
紙袋をそっと机の横にかけ、途中だったお弁当に再び手をつけた。
『人気者じゃん』
耳に残ったその声が、私の心を掴み、下へ下へとずり落としていく。
……違う。
人気者なのは、私じゃない。
ああやって近づいて来る人はみんな、私を、……お兄ちゃんの妹としてしか見ていないんだ。