ちよ先輩のてのひらの上。
「なんで、こんなもの……」
「わからない。誰が撮ったものなのかも、……なんのためにひなたのロッカーに入れたのかも」
「……」
「ただ……」
お兄ちゃんは、チラリと私を見て、躊躇いながらも続けた。
「これを入れた犯人の狙いが、——ひなたのほうだってことだけは、わかる」
「……」
ちよ先輩が神妙な顔で頷いた。写真を机の上に戻すと、私の向かいの席に腰を下ろす。
「写真にはふたりを映しているのに、……ひなちゃんのロッカーにだけ、入れられてたってことは……」
「犯人は少なくとも、ひなたのほうに強い感情を抱いてるってことだ」
「……なるほどね」
ちよ先輩の視線が、伺うように私に向けられた。