ちよ先輩のてのひらの上。
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生徒会室の扉を開けると、中にいた安川先輩が「おっ。お疲れー」と声を上げた。
「お疲れ様です」
「あれ、結城先輩とちよ先輩……どこか行っちゃったんですか?」
真白ちゃんが、机の上に置き去りにされたお弁当を見て尋ねた。
——例の写真の件があってから、私と真白ちゃんは、お兄ちゃんたちと一緒に生徒会室でお昼をとるようになっていた。
詳しい事情を説明したわけではないけれど、もうすっかり、生徒会メンバーである先輩たちは私たちのことを受け入れてくれている。
「そうなんだよー。ふたり揃って女の子からの呼び出し。……あれは間違いなく告白だね」
「エッ」
安川先輩の言葉に思わずドキリとした私の隣で、真白ちゃんが大きな声を上げた。
私たちの視線を集めた真白ちゃんが、ぱっと口をふさぐ。
それを見た安川先輩が、にとーっと怪しい笑みを浮かべた。