ちよ先輩のてのひらの上。
「あ、ひでえ!俺だってもっとふたりと仲良くなりたいのに」
「うるさいな。その伸びてる鼻の下、縮めてから言いなさいよ」
日常茶飯事である2年生ふたりのコントに微笑みながら、私と真白ちゃんは腰を下ろした。
お弁当を広げ、いただきますをする。
「……でも、今回は嘘だけど、わりと結構な頻度であのふたりを呼びに来る女の子、いるから。頑張ってね」
ニシシと笑顔を向けてくる安川先輩に、真白ちゃんが咳き込んだ。
私をちらりと確認してから、……もじもじとか細い声を出す。
「あの……、結城先輩は、今まで彼女とか、いたんでしょうか」
私はびっくりして、真白ちゃんを見た。
「……なるほど。会長のほうだったか」
「結城先輩には、言わないでください……」
「わかってるよ。これは、俺らだけの秘密ね」
安川先輩が人差し指を唇に当て、この場にいる全員と顔を見合わせる。
私と辻村先輩は、しっかりと頷いた。