ちよ先輩のてのひらの上。
「そんなことないもん」
「うーん。だけど、男子たちが言ってたよ。そらくんだけを誘いたいけど、ひなちゃんがいるから遊べないって」
「……」
「男子って、どうして男子だけで遊びたがるんだろうね」
……そんな風に思われてたなんて。
知らなかった。
私は、ただ……。ずっと、小さい頃からお兄ちゃんと遊ぶのが、当たり前だったから……。
この時点で私は、すでに泣き出す一歩手前だったように思う。
「あのね。ひなちゃんには言ってなかったけど、わたしね、……本当はそらくんと仲良くなりたくて、ひなちゃんと友達になろうって思ったの」
「……っ」
私は、思わず立ち上がった。ぶつかった葉が、ガサリと音を立てる。
「あっ」
近くまで探しにきていた鬼が、私に気がついた。
「ひなちゃん見ぃつけた!……あ、菜緒ちゃんもいるー」