ちよ先輩のてのひらの上。
『そらくんだけを誘いたいけど、ひなちゃんがいるから遊べないって』
『本当はそらくんと仲良くなりたくて、ひなちゃんと友達になろうって思ったの』
泣き止もうと思えば思うほど、ひっく、ひっくとしゃくり上げる自分の声。
耳に残る菜緒ちゃんの声が、ズキズキと私の胸を痛めた。
……なんで、ひとりで公園に来ちゃったんだろう……。
お兄ちゃんが、いてくれたら……。
……お兄ちゃんの、せいで……。
悲しみが、徐々に、私を放ってひとりで友達と遊ぶ約束をしていたお兄ちゃんに対しての怒りへと、変わっていく。