ちよ先輩のてのひらの上。
「……ふうん」
私の言葉に、先輩は少し間を置いて、素っ気ない返事をした。
置いていたボールペンを再び手に取る。片手に顎を乗せると、それをくるり、くるり、と弄び出した。
……反応、薄い……。
ちょっぴり残念に思いながら、私も気を取り直して、手元のアンケートへと視線を落とした。
鞄の中から、ペンケースを探す。
ボールペンを取り出し、白紙のプリントに正の字を書いていると、ガタ、と椅子が音を立てた。
咄嗟に顔を上げると、向かいに座っていたはずのちよ先輩の姿が消えていた。
突然、ボールペンを握っていた手を掴まれる。
驚いて落としたペンが、カランッ、と音を立てて机の上に転がった。