目が合った、理由

「ぷっ」と息を吹き出す音が聞こえた。


その音の出どころに目をやると、

司君が、口元を抑えて笑っていた。

「ああ、うん。そうだよな、使いやすいよなこれ」

可笑しそうに肩を揺らして笑いながら、上目遣いでこちらをみてくる。
一体何が彼のツボにヒットしたのかよく分からないが、
普段、背の高い司君が至近距離にいることと、上目遣いの笑顔にドキドキしてしまう。


思わず口元が緩みそうになるのを必死に抑えるが、目は離せないままだ。


私が言葉を継げないでいると、

司君が言葉を続けた。