目が合った、理由
「あれだよな。授業中も思ったけど、早坂って結構抜けてるよな。なんか見てて心配になる。あんまり今みたいに重いもの持ったり無理するなよ。危ないだろ。」


司君は私が広げたプリントを拾って、
「はい、これで全部だよ。」
と言って、笑顔で渡してくれた。



私は、突然突きつけられた現実に、動けなくなっていた。


やっぱり。

やっぱり、呆れられていたんだ。
心配だって。
頼りない、駄目なやつだって。

いくらペンをお揃いにしたって。
司君と私じゃ、釣り合わない。


息が出来なくなって、
目頭が熱くなってくる。

駄目だよ。
そんなこと前から分かってたことでしょ。
今泣いたら、駄目だよ。

もっと司君に心配掛けるでしょ。
ほら、笑って。


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