目が合った、理由
「あ…あはは!そうだよね!司君もそう思う?私っていつもダメダメだからなー!」

少しでも司君に近づけたと思ったことが恥ずかしくて、顔を見ることが出来ない。

「えーと、プリント拾ってくれてありがとう!私これ事務室に届けてくるね!」


涙が出てしまう前に、早く立ち去ろう。

そう思って段ボールに手を伸ばす。




「あーいや違う。ごめんそうじゃなくて。」





私が触れるより先に、力強い腕が軽々と段ボールを持ち上げる。


君と、正面から視線が交わる。


「困ったときは、俺に頼ってよ。」

真っ直ぐに、私のことを見据える瞳に、


さっきと同じように動くことが出来ないでいた。


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