目が合った、理由
とりあえずいきなり目を逸らすのも失礼なので、そのままペコッと会釈してみる。

すると司君は特に返すことも無く、無反応で前に向き直った。

私は恥ずかしさのあまりバッと顔を伏せる。

今、なんて思ったんだろう。
やっぱり呆れてたのかな、
それとも顔が変だったかな。


すぐに司君を確認する勇気も出なくて、

ただ、答えの返ってこない問題を延々と頭の中で反芻させる。

今日も脳内反省会は長引きそうだよ…。

私は頭を抱えたまま、深いため息を吐き出した。

よく目が合ったって、これじゃ意味がない。

いつも見ているだけで、情け無いなぁ…。


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