目が合った、理由


「お…重い…。」

はぁはぁと荒くなる息を抑えられない。


先程失敗をかましちゃった一時間目と二時間目の休み時間。

私はというと、中に一体何が入っているのか、凄まじく重い段ボールを事務室に運んでいる途中です…。

支えている手がプルプルと震えている。
指先が白くなって、心なしか感覚が薄れていっているような…。

なんでこんなことになっているのかというと、
いつも私が図書室でお世話になっているおばあちゃん先生が階段を一段一段ゆっくり登っていたからだ。

…あの状況じゃ仕方ない。

手を貸さずにはいられないだろう。
怪我でもしたら大変だしね。


というかむしろここまで運んで来れたことに感心してしまうレベル…。
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