甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

着任早々忙しくなることもないと思うけどなんて電話で話していたのが嘘のように、悠さんはたくさんの患者さんを担当して目まぐるしい毎日を送っているらしい。

あんなに毎日何度もメッセージのやり取りをしていたし、悠さんの都合が合えばC健の近くまで迎えに来てくれて食事をしたこともあった。

寂しくないと言えば嘘になる。
だけど、これは始めからわかっていたこと。悠さんも、事前に私に伝えてくれていた。

『俺は医者で、来月からは病院勤務になるから忙しくなる。休みの日の呼び出しも珍しくないし、正直寂しい思いをさせないとは言えない』

そう正直に話してくれた上で、私と一緒にいたいと気持ちを伝えてくれた。

そんな悠さんの誠意ある言動が素敵だと思うし、彼が頑張っている仕事を邪魔したくないと素直に思う。


今日は6月最後の日曜日。ようやく丸1日休みが取れそうだと悠さんに誘われていた。

貴重な休みなら家でゆっくりした方がいいんじゃないかと言うと、『俺が遥に会いたくて限界なの』と甘い返答に真っ赤になってしまい、電話で良かったと胸を撫で下ろしたのは1週間ほど前のこと。

朝早く起きて久しぶりのデートに緩む頬を持て余しながら支度をしていると、悠さんからのメッセージ。

【ごめん、急患で呼び出しがかかった。またれんらくする、ごめんね】

後半は変換も出来てないメッセージを見て、よっぽど急いでるんだろうなと感じられた。


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