甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

「もしもし」
『遥、今日はごめん』
「お疲れさまです、大丈夫ですよ」
『今終わったんだ。どこにいる?本屋あたり?』
「あ、病院の中庭に来てるんです。少しでも早く会いたくて…あっ」

たった今、早く顔が見たいと考えていたせいで、思ったまま口にしてしまい慌てる。

『……1ヶ月もお預け食らってんのにそんな可愛いこと言われると、食事よりも家に連れ込みたくなる』

電話口からいつもよりも低く甘い悠さんの声が直接耳に流れ込んでくる。

ゾクゾクして、体温は上がっていくのに首が粟立つ。悠さんには見えないのに、私は小さく頷いた。



悠さんの家は病院から歩いて10分もかからない場所にあるタワーマンション。35階建ての30階に彼の部屋がある。

ホテルのようなコンシェルジュサービスがあるマンションが存在するだなんて始めて知ったし、エレベーターに乗るにも部屋のカードキーが必要だなんてセキュリティの厳重さにも驚いた。

まだ22年しか生きていない私にとって、8個も年上の悠さんとのお付き合いは驚きの連続で、自分の無知さを思い知る機会がとても多い。

そんな私を決して笑ったりせずに、悠さんは色んな事を教えてくれる。


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