甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
だからこそ、私も変に遠慮しないで本音を口にした。
「寂しいです、もちろん」
「……だよね。ごめん」
悠さんが辛そうに顔を顰めた。
「いいんです、だってそれが悠さんのお仕事なんですから」
私はまっすぐに見つめ返して、微笑んでみせた。
「お医者さんとして患者さんに向き合っている時は、私のことを忘れちゃってもいいんです」
「……遥」
「その代わり、こうやって2人でいる時は…、私のことだけ、考えて欲しい…です」
大それたお願いだとわかってはいるけど、少しだけワガママを言ってみたくなった。
お医者さんが忙しいのも、悠さんにとって恋愛が優先順位が低いのも、彼から聞いて理解しているつもり。
だからこそ、こうして2人で会っている時だけは、私のことだけを見ていて欲しい。
「だから…2つ目も謝らなくていいんです。私も、食事に行くより……」
なんとか自分の思いを伝えたかったけど、これ以上は恥ずかしくて言葉が続かなかった。
ベッドで抱き合ったまま沈黙が流れる。
ワガママを言い過ぎたかなと不安になって悠さんを見上げると、片手で顔を覆って大きくため息を吐いている。