甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
首を傾げたくなる突然の話題に戸惑っていると、彼女は勝ち誇ったように笑い出した。
「あはは、やだ!あなた悠から何も知らされていないのね。ほらね、彼があなたなんかに本気なわけがないって思ってたのよ!」
馬鹿にされたように笑われて、私はどんどん身が竦んでいく。
「知らないのなら教えてあげるわ。悠の父親は皇室が顧問を務める財団法人『健康推進会』の理事長なの。きっとお父様のあとは彼が理事になるだろうって誰もが期待してる。悠は医学界のトップに立つような人間なのよ」
――――健康推進会の、理事長……?
健康推進会といえば私が所属しているC健の大元であり、地域医療に多大に貢献し、多数の事業所や病院を参加に入れる巨大な財団法人。
単なるバイトの私は、健康推進会の本部に行くこともなければ、そこで働く人達がどんな人で何をしているのかすら知らない。
でもまさか…、悠さんのお父さんがそこのトップである理事長を務めているだなんて……。
「そんな彼の隣に立つのが、あなたみたいな子供でいいわけがないでしょう?いくら結婚願望がなくもて体裁だってあるし結婚しないわけにはいかない。だったら同じ医者である私の方がずっと彼に相応しいわ」
「……だから、あなたと、結婚、すると…?」
「そうよ」