甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

悠さんがプレゼントしてくれたピアスは、まだ自分の部屋に大事に保管されている。

本当はすぐにでも開けてつけたかったけど、なかなかタイミングが合わなかったのと、夏は膿みやすいし涼しくなったらにしようと彼に言われたから。

もしも貰ってすぐにピアスを開けていれば、運命は変わっていただろうか。

こんな風に惨めな思いをしなくて済んだのだろうか。

現実に向き合わず責任転嫁して考えてしまう自分が嫌で、メイクが取れるのも構わずにゴシゴシと目元を擦った。

……帰ろう。自分の家に。
もうこんな気持のまま悠さんに会うなんて出来ない。

フラフラと売店を出た私の耳には「ねぇ。先生って、九条先生に聞いたの?」「ううん、佐々木先生」という彼女達のやり取りは届かなかった。






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